法改正(平成26年)見直しのポイント詳細(16項目)


親から学ぶこと(参考映像)

現在国会で審議されている 「法改正」において、幼齢動物の「親離れの時期」

について、各種議論があります。

 

当会では「生後56日(8週令)までは親元で」親や兄弟たちからしか学べない

動物たちのルールを学ぶことが、その後、人と暮らすこと、他の動物を含む

社会で共生することには、大変重要なことと思っています。

 

残念ながら、現在法律に記載される予定の文章の中では、

「56日」という記載はあるものの

56日から「販売」してもいいのか、

あるいは、56日までは「親元からはなさないようにする」のかの

定義が非常にあいまいです。

 

56日から「販売してもいい」ということになると、それ以前に

親や兄弟から離される可能性が否定できません。

 

下記の映像は、子犬が親犬から「学んでいる」様子を見ることができます。

(途中で ため息をつく、お母さんの表情がたまりません ♪♪)

 


条文 改正案

1.

基本原則に追加

(第2条)

「動物が命あるものであることにかんがみ」を

「動物が感覚のある生命体であることにかんがみ」と変更

2.

基本指針

(第5条第2項の一)     

「動物の愛護及び管理に関する施策」の推進に関する基本的  

 な指針に以下の5つの自由を追加する

 1.飢えと渇きからの自由(解放)

 2.肉体的苦痛と不快からの自由(解放)

 3.外傷や疾病からの自由(解放)

 4.恐怖や不安からの自由(解放)

 5.正常な行動を表現する自由

3.

動物の所有者又は占有者の責務等に追加(第7条)

1.「動物の福祉を保障する責務」を第7条に新たな項として
   追加する

    動物の所有者又は占有者は5つの自由に基づいた動物 

         のニーズを充たさなければならない

         ①適切な食事及び飲料

         ②適切な居住(飼育)環境

         ③痛み、苦痛、外傷や疾病から守られること

         ④通常の行動の表現が出来ること

         ⑤動物種の生態習性等に基づいた社会(生活)環境

2.以下のことを第7条第3項に追加する

     また、猫の所有者は、自己の所有する猫を自治体に

     登録すること

4.

動物愛護担当職員について

(第34条) 

1.地方自治体における動物愛護担当職員の設置の義務化

2.動物愛護担当職員の権限の強化

     ・動物愛護担当職員は動物虐待があると疑われる

        ときは単独あるいは警察と共に立ち入り調査する

        権限がある

     ・動物愛護担当職員は上記のニーズが充たされて

        いない と疑われる場合は立ち入り調査ができる。
        そして、これらが遵守されていないと認められたとき

        は、遵守されていない点を改善指導、勧告、命令を

        行い、命令違反には罰則を適用する

    ・動物愛護担当職員は、動物取扱業に関して、登録

     (許可)時のみならず、定期的に立ち入り調査し、

       法律・基準が遵守されていないときには改善指導、

       勧告、命令をする

3.動物福祉の教育及び調査についての研修を実施する

5.

動物取扱業の規制

(第二節)

1.動物種に魚類・両生類を加える

2.動物のネット販売・移動販売・露天販売の禁止

3.動物の移動展示の禁止

4.登録制を許可制に

5.動物取扱業の業種の拡大

      ①実験動物の繁殖販売業者

      ②補助犬の繁殖、訓練施設  

      ③動物輸送業者

      ④動物を取り扱う動物関係職養成学校   

      ⑤その他

6.教育実習用の動物を飼育している動物関係職養成学校、

      乗馬クラブ・観光乗馬(観光馬車)等において、利用者等

      の危機(危険)を回避する責任の明確化し、基準等を新た

      に設ける

7.動物愛護管理法のみならず、関係法令違反で有罪と

      なった者に対しては許可(登録)を与えない

8.幼令動物の販売禁止(8週令まで移動禁止)
  *最低8週令(生後56日)までは親犬・親猫から学ぶことが
   たくさんあるのです。(上記 画像資料参照)

9.犬猫のブリーダーは、動物取扱業あるいは一般人に渡す

      前にマイクロチップを埋め込み、登録すること(動物

      取扱業ではないが、里親等新たな飼い主へ譲渡する場合 

      も同様に行うよう努めること)

10.子犬・子猫は複数頭で展示すること

11  人と動物の共通感染症の検査の義務化

12.先天異常や傷病動物の販売禁止

13.貸し出される動物の福祉の確保

14.動物の展示時間の制限と夜間販売の禁止(深夜営業

      時間帯の営業の禁止)

15.ショーウィンドウでの動物展示の禁止

16.動物取扱業者は営業不能になった時等の動物の措置の

      ために、供託金制度を設置する

17.動物愛護担当職員の立ち入り調査を拒んではならない。

     拒んだ場合は罰則を適用する。

6.

動物虐待について

(第44条)

 

1.法律の対象動物を、「脊椎動物」とする

2.虐待の定義

      虐待の定義は精神的・肉体的苦痛を与えることであり、 

      以下のことを言う

      ①動物をみだりに殺し、傷つけること・意図的に暴力を

         振るう・毒物を摂取させる、等

      ②適切な食事、飲料を与えず、不健康にすること

      ③病気・怪我等があるにもかかわらず、有資格者による

         適切な処置が施されないこと

      ④肉体的・精神的にストレスをかけ、ストレス行動

       (正常ではない行動)を出現させること

      ⑤動物を酷使して、精神的・肉体的に抑圧すること

      ⑥動物を囮に使用すること

      ⑦長時間もしくは過酷な輸送によって苦痛を与えること

      ⑧動物に適切な居住空間を与えず、動物を不快な生活

         環境に置くこと

      ⑨動物の生理生態習性を無視した環境で、動物が本来の

         自然な行動を取れないこと

3.動物と動物、人と動物を闘わせることを禁止(闘犬・

      闘鶏・闘牛?)

4.獣医師は、虐待の早期発見・早期介入のために、虐待に

      よる傷害やネグレクトなどと思われる動物を診療した

      ときには、動物愛護担当職員や警察へ通報する義務を

      持つ。ネットワーク作りの明確化

5.たとえ伝統文化行事であろうと、明らかな動物の虐待が

     あるときは改善させる、あるいは行事を廃止する

6.裁判所による罰則としての飼育禁止命令

7.所有権のある動物の生命の危険がある場合は、裁判所

     命令による当該動物の緊急保護ができるようにする

 7.

動物を景品やゲームの対象等にすることについて

1.動物を景品とすることを禁止

2.動物をゲームの対象にすることを禁止

3.集客の手段に動物を使うことを禁止

 8.

多頭飼育の規制

1.犬猫あわせて10頭以上飼育している者は自治体に登録

     すること

2.動物愛護担当職員は立ち入り調査によって、状況把握

     をし、適切な飼育管理が行われていないときは、改善

     指導、勧告、命令をする

3.不妊去勢手術を施して、数を増やさないようにすること

9.

飼い主のいない

猫の繁殖制限に

ついて(第37条)

1.飼い主のいない猫についても、これ以上飼い主のいない    

  猫を増やすことのないように、その繁殖を防止し、生殖 

  を不能にする手術その他の措置をするように努める

  こと。都道府県等(自治体?)はその援助をすること

10.

実験動物について

(第41条)

 

1.実験動物の入手先の限定化(野生動物の使用禁止)

2.動物実験施設を登録制に

3.記録の保管と情報の開示

4.倫理委員会の設置と研究者以外の委員の導入

5.第三者による立ち入り調査の実施

11.

個体識別について

(第7条)

努力義務を義務化にする。

販売動物・譲渡動物にはマイクロチップ等によって個体識別がなされていること

12.

断尾・断耳について

断尾・断耳の禁止(獣医療上必要なときはこの限りではない)

13.

動物愛護推進員について(第38条)

動物愛護推進員の設置の義務化とレベルアップ及び均一化のための教育の義務化

14.

学校飼育動物について

動物を飼育している学校は、飼育に必要な費用(餌代・飼育環境改善費・獣医療費など)を予算化し、動物の福祉を確保するために、学校・PTA・獣医師会・動物愛護推進員等が連携する

15.

安楽死について

(第40条)

動物を止むを得ず死に至らすときは、1頭1頭、麻酔薬により、恐怖なく、苦痛なく死に至らしめること。処置者の安全のために、事前に鎮静剤の投与も考慮する

16.

産業動物について

産業動物の福祉の確保のために、動物福祉の基本である5つの自由に基づいて飼育管理すること(基準を改正する)